山形県長井市平野
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朝日岳登頂後はりんご温泉に身を浸し、祝瓶山の登山口に向うが、長井市街にて方向が判らず30分程
ウロウロする。 その後も木地山ダムへの細い道が9.1km、その先の地道の林道が6.5kmあり、
トータルでは長いと思っていた朝日鉱泉の林道14kmより距離があり時間が掛かってしまった。
祝瓶山荘の駐車場に着いた時にはすっかり暗くなってしまたので、ビールを呑んで寝てしまう。
Road Map :朝日町からR287を走り長井市に入る。県道252号線を木地山ダムに向い、林道を祝瓶山荘まで行く。
Route Map:祝瓶山荘から直登コースを登り、尾根コースへ下山して周回する。
『日本三百名山』 東北のマッターホルンと呼ばれているらしい。
標高差:852m
トータル:5時間25分(休息時間含む)
祝瓶山 |
針生平分岐 |
朝日岳分岐 |
直登分岐 |
吊り橋 |
祝瓶山荘 |
8時20分 |
8時30分 |
9時25分 |
10時15分 |
10時58分 |
11時05分 |
下り時間:2時間45分
登り時間:2時間31分
祝瓶山荘 |
吊り橋 |
直登分岐 |
祝瓶山 |
5時40分 |
5時48分 |
6時23分 |
8時11分 |
山荘の中には暖炉もあり嬉しい配慮である。 右にあるのは流しかも
知れないが確認はしていない。 この隣りにも新築の山荘があり、
どこかの会社の物か、大学の物の様な気がした。
登山口にある ”祝瓶山荘” 通常は施錠されており、利用するには
予約して鍵を借りる必要があるらしい。 今日はマイクロバスで来た
東京からの団体さんが泊っていた。
山荘付近から見た朝焼けの ”祝瓶山”
三百名山にしておくには勿体無い山容をしている。
下山時の駐車場は満車状態であったが、皆、直登コースから
登ったのか、ほとんどハイカーには会わなかった。
5時40分、マイクロバスで来たジジババ軍団が出発しようとして
いたので、先行されない様に慌てて出発する。 林道は程なく終り、
直ぐに登山道となる。 どうどうと大朝日岳への登山口表示がして
あるのが印象的であり、そんな距離を縦走する人がいるのか?
10分程歩くと長い ”吊り橋”が出て来た。 渡ると左右の揺れに
上下の揺れが加わって昨日の朝日岳の吊り橋よりも怖かった。
登りは中央の尾根から、下りは右の尾根を下る
予定であるが、どちらも随分険しく見える。
吊り橋を渡ってからは定規で測った様なまっ平で真っ直ぐな道が続く。
左右の雑木林で展望は少ないが雰囲気は良い感じだ。
この附近はブナの原生林が広がる地域らしい。
43分で分岐に着く。 ここまでまったくフラットな道だった。
真っ直ぐ進めば ”赤鼻ルート”、左に曲がれば ”直登ルート”となる。
どれ程危険なルートかは判らないが ”直登ルート”を選ぶ。
(大朝日岳まで9kmとは大した距離ではなかった。)
ブナ林の中に2種類のコゴミ(クサソテツ)が生茂る一郭があった。
兵庫の山にもコゴミは沢山生えているが、これ程群生しているのを見るのは初めてだ。
分岐を左に曲がると直ぐに沢渡りとなる。
気を付けて渡ったが石が動き沢ポチャをしてしまった。
靴の中まで水が入ってしまったが我慢してそのまま歩く。
惚れぼれするブナ林が続く。 登りは徐々にきつく
なってきたが、急登はもう少し先からか。
尾根筋に出ると ”祝瓶山”の全容が見える様になってきた。
紅葉はまったく始まっていない。
南面に見える険しい尾根を見る。
あそこにも登山道はあるのだろうか。
我が前後には誰も居ない。 確かに急登部が多いが一人では写真にならない。
沢登りでも急登登りでも一人では面白くない。 誰か早く登って来てくれー。
尾根登りの途中から振返ると ”祝瓶山荘”が小さく見えていた。
昨日の大朝日岳の ”中ツル尾根”と良くにた感じであった。
北岳のバットレス的な崖が広がる。
山が近過ぎて1枚の写真には納まらない。
西に伸びる ”不動山”と ”足駄山”を見る。
ここまで急登だったので振返っても登って来た道は見えなかった。
しかし両手両足を使って登る箇所は多かったが、
どうしても無理と言うほどの箇所はなかった。
少しトラバース気味に廻りこむと雲海に浮かぶ ”飯豊山”が見えてきた。
山頂には記念碑用の杭が沢山立っており、オートで写真を撮るのには
苦労しなかった。 登頂証拠写真にケツでも写しておく。
ユニクロで買った1,980円のザックがみすぼらしいが、俺に取っては愛着ある一品だ。
8時11分、2時間31分にて ”祝瓶山”(1,417m)に着く。
360°の大展望であり目的の ”朝日連峰”もしっかり見えていた。
昨日の大朝日岳には沢山のハイカーが居て嫌に
なったが、今日は誰も居らず寂しい限りである。
左に ”吾妻連山”、右に ”飯豊連山”が見えているが、
遠過ぎて見えているだけのレベルであった。
下山路の尾根を見る。 尾根筋は遠く ”大朝日岳”まで
しっかりと伸びていた。 山頂で10分程休憩して下山する。
分岐から逆光の祝瓶山を見る。 途中、赤鼻コースから登って来ら
れたハイカーとすれ違うが、その人は5時に出発したらしいので、
直登コースの方が1時間は早く着いた計算になる。
分岐からの尾根道は雑木で展望が利かないが、植林帯とは
違い随分と雰囲気が良い。 道もフラット気味で散策気分となる。
きのこは色々沢山見たが、このきのこは
可愛いかったので写しておく。
下山途中から ”直登コース”の尾根を見ると、
よくぞ登ったと思う程の斜度だった。
下山1時間05分にて大朝日岳、桑住平の分岐に着く。
ここまでは鞍部に降りて大きく登り返しがあった。
もっと楽な道かと思ったのに。
振返り歩いて来たルートを確認する。
最後の矢印が大きく下り、登り返すことになる。
楽なコースと思っていたがくさり場、ロープ場が沢山出て
来る。 急登のくさり場と言うより道がザレているので
滑り防止のくさり場が多い。
ここも下がザレているのでくさりが設置してあった。
”桑住平”まで降りるとブナ林が広がり出し、花を見る様に
キョロキョロとブナ林を見入ってしまう。 足が進まない。
1時間45分、綺麗な沢を渡る。
この辺りに巨木は少ない様であるが、どこまでも広がるブナ林が気持ち良い。
木立ちの隙間から祝瓶山が見えるのも感じ良い。 1時間55分にて直登ルートへの分岐に帰る。
これで周回を終えたことになり後は元来た道を戻るのみ。
登り時は通り過ぎた沼を何か居ないかチェックすると
意外と沢山の ”イモリ”が居た。
イモリを捕まえてみたかったが、沼地で足が泥に取られて近寄れない。
光が水面で反射して写真にも撮れない。 イライラする一瞬であった。
沼のある湿地帯周辺は綺麗なコケが沢山あったが、花としては3〜4種類程が
パラパラと咲いている程度であった。 はやりコゴミが綺麗だった。
今日の温泉
長井市の ”桜湯”に身を浸す。入浴料は300円、ボディシャンプーはあるがシャンプーは無し。 半露天風呂の素朴な温泉だったが誰も入っていなかったので歯まで磨いてしまった。
二階の食堂は対面キッチンとなっており、料理を作っているのを見るのも楽しいし、奥さんとのお喋りも楽しかった。 五目ラーメンを頼んだが具は随分とへんちょこりんな物が入っていた。
しかし美味かったので文句無し。
百名山に入れる値打ちあり
祝瓶山は三百名山に入っているが、山容、展望の良さ、ブナ原生林の美しさから百名山に入れてもおかしくない山に感じた。 多分、大朝日岳の直ぐ隣りだから外されたものと思う。
帰路に着く
最後の大仕事は一路、神戸に向かって車を走らせることである。
仮眠せずに走って10時間、2回程仮眠すると12時間になってしまう。
行きと同じく帰りも雨が降ったので今回の遠征は非常にラッキーだった。
左上の表示は半分消えかけているが 「9合目附近から山頂に至る箇所が
崩壊し、落石により大変危険になっています。 赤鼻ルートをとるか、
どうしてもこのルートをとる場合は先行者の有無に特にご注意下さい」
祝瓶山を終えて
下りはブナの景観を楽しみながらブラブラと歩いたので2時間45分掛かってしまった。
こんなにブラブラ歩いたのは久し振りかも知れない、それ程雰囲気の良いところだった。
2007年の東北の山遠征
『ミズヒキ』
『ジャコウソウ』?
登り時に見た時は朝日で赤く染まっていたが、下山時には本来の色合いで見れた。
この山には三百名山以上のの面白さがあった。
いわいがめやま
300円で入浴出来た ”桜湯”温泉。
”アキノキリンソウ”
”リンドウ”
尾根筋を登って行く。 前方のピークが ”祝瓶山”。
2024年月13日改定
良く見ればシダの葉のデザインは
フラクタル風で綺麗だと思う。
初めて来る山では、このしっかりした道標が有難い。